海辺にいる危険な生物

サーフィンに限らず、海水浴などでも海辺の危険な生物に遭遇することはあります。
小さな子供にはとくに気をつけてあげたいですよね、成人男性でも刺された場所などによっては、命の危険にも及んでしまうことがある生き物もいます。
地域によって多少異なりますが、千葉の外房でいつ遭遇してもおかしくないような生物をピックアップし、また被害に遭った時の処置の方法を載せておきたいと思います。

 

1,カツオノエボシ

カツオノエボシは厳密にはクラゲでなくヒドロ虫。
ひょろ長い触手には刺胞(しほう)という器官があり、特にこの部分に強い毒を持っています。
春から夏にかけて季節風に乗って太平洋側に大量発生し、よく太平洋側の地域で岸に向かう風が吹いた時にも多く発生するというニュースを耳にします。
砂浜に落ちていることもよくありますが、絶対に触れてはいけません。
刺されるとかなり痛く、非常に危険です。
海水浴などで訪れた場合、小さい子供さんには特に気をつけてあげてください。
もし海で見かけた場合は周囲のサーファーにもいち早く知らせてあげて、その場から離れてください。決して追っ払おうなんてしてはいけません。

クラゲが出始めるシーズンになったらウェットスーツをしっかりと着て肌の露出を少なくするのが一番の効果があります。(ウエットスーツの上からでも刺されたというケースもあり)
刺された時の症状はその瞬間にピリピリとした痛みを感じたり、刺された箇所がミミズ腫れになったりします。
激痛はもちろんのこと、カツオノエボシの場合最も怖いのは、アナフィラキシーショック(急性/重度の過敏症アレルギー反応)により血圧/脈拍低下、呼吸障害で死に至る可能性があるということです。

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刺された時の対処法

もしクラゲに刺された場合、できるだけ早く病院に行くことが望ましいですが、その場で対処せざるを得ない人は以下の点に注意をしてください。

  1. 素手ではなく、ピンセットや手袋、タオルなどを用いて、触手をそっと取り除く。
  2. 真水では洗わず、海水で流す。こすったりもしてはいけません。
  3. お酢やアルコールをかけたりするのはやめておきましょう、悪化する場合があります。おしっこもあまり意味がありません。

 

 

2,アカエイ

じつは僕、アカエイの”煮付け”が大好きなのです!
・・などと言っている場合ではありませんね。日本のビーチブレイク地域に広く分布するアカエイ。ここ飯岡にも普通に生息しています。
大きさは数十cmから最大で1〜2m。
発生時期は、海水温度が温かくなる繁殖期の初夏から増え始めます。

サーフィンの他に、釣り、潮干狩り中に砂に埋まっているエイを踏んづけ、刺されて大怪我をおうことがよくありますので浅瀬にはご注意を。
アカエイは尻尾のつけ根辺りに毒針を持っていて、やられるとナイフで切られたような傷が出来ます。刺されると激しい痛みを感じ、長時間続き、患部は腫れて赤紫色に変色したりもします。
ほとんどが足や手を刺される(切られる)ようですが、心臓に近い場所だったりすると命に関わる事故になってしまいます。

エイを踏まないコツは砂の中ですり足で歩くと良いそうです。
海中を普通に脚を踏み下ろして歩くと、エイの上に足をおろすことになるので刺される確率は高くなります。
サーフィンをする場合、少し早い位置からボードに乗りパドリングを始めるのも予防としては良さそうですね。

 

刺された時の対処法

  1. 毒針が残っていれば、可能な限り取り除きましょう(毒針には”返し”がついているので要注意)
  2. 傷口をよく洗い、毒が体に回らないように絞り出します。
  3. 一緒に毒素も出ますので、出血もあるていどそのままにして
  4. 傷口に近い場所の動脈(足を刺されたのであれば、太ももあたり)を圧迫するのも効果的あります。
  5. 患部を温めます(40~45℃くらいのお湯につける)そしてできるだけ早く病院に行くことが重要です。

※刺されてすぐよりも、しばらく経って痛みのピークが訪れ、動けなくなるほどの激痛に襲われます。
なのでそうなる前に医療機関に行っておいたほうが賢明です。

 

 

ウニ

リーフの海にはウニがたくさん隠れています。
ウニのトゲは折れやすく、踏んづけてしまえば容易に折れて棘が足の裏に残ってしまうことがあります。
ムラサキウニには毒はありませんが、トゲをそのままにしておくと化膿してしまう恐れだって充分にあります
「トゲは放っとけばそのうちに溶ける」といった記事をいくつか見つけましたが、トゲが深く入り込み、出口が塞がってしまえば逆に固くなり、留まってしまうこともあるようです。

 

 

一方、ウニの種類でとくに気をつけたいのが「ガンガゼ」と呼ばれるウニです。
非常に長いトゲを持つ特徴的なウニで、浅海に多く生息しています。
そして、このトゲには毒があり、刺さると大変。
このトゲは細い上に、表面に根元に向いたささくれ状の細かいトゲがあります。
これが一旦刺さると、簡単には抜けないようになっているのです。毒の成分は、タンパク質の一種ですが、刺されれば患部は腫れ激しい痛みを伴います。
場合によっては、体が麻痺したり、呼吸困難を起こしたりする重症なケースもあるようですので充分注意が必要です。
激しい痛みは、通常数時間で和らぎますが、患部の腫れは数日間は続くといわれています。
また、体内で折れた棘の周囲が感染症を起こして化膿する場合もあります。

 

刺された時の対処法

  1. まずはピンセットか毛抜きで慎重にトゲを抜き、消毒をします。
  2. トゲが奥に入り込んでしまってどうしても抜けないときや、気分が悪くなったり、呼吸が苦しくなったり、患部以外で明らかに身体に異常があるような場合には、すぐに医療機関の診察を受けるようにしてください。
  3. ガンガゼのトゲは、もろくて折れやすく、体内でも細かく折れてしまうため
    ピンセットや毛抜きなどではなく、きちんと消毒した針などで丁寧に取り除く必要があります。
    早めに抜いた方が、やはり治るのも早いようです。

※夏場はとくに化膿しやすいので、自分で抜けなかったり心配な場合は
急いで病院で治療してもらいましょう。

 

 

ゾエア(甲殻類幼生)/チンクイ

サーフォンに限らず海水浴などしていてやたらチクチクすることって、ありませんか?僕はすぐに「あるある!」と思いました。幸いひどくなる体質ではないらしく、ポチッと赤くなりますが、痒みはこすったり叩いたりしていれば、比較的まぎらわすことが出来ます。
ただ、中には蚊に刺されたようになったり、アレルギー反応のようにすごく痒くなったりすることもあるようです。
その正体が体長約2mm〜3mmのエビやカニの幼生「ゾエア」。通称「チンクイ」その名前の理由はなんとなくわかると思いますので省きます。

チンクイ発生の多い時期としては、大潮の上げ潮や台風のうねりなどの後、波打ち際や海面近くにたくさん浮遊し、お盆の時期などはちょうど海水温も上がり、成長時期と重なります。お気をつけください。

対策としては、ラッシュガードを着用する、ワセリンを塗る、などありますが、それでもちょっとの隙間から入り込みますので、防ぎきれません。
↓刺されたあとに効く市販薬としては、ムヒアルファEXが挙げられます。

万が一痒みや湿疹が酷い場合は、きちんと皮膚科にかかるようにしてください。

 

スナメリ※番外編

危険な生き物ではありませんが最後に「スナメリ」をご紹介します。スナメリは沿岸の浅い海に棲息するクジラ目ネズミイルカ科の生き物です。ざっくりいいますと一番小さなクジラということになりますが、九十九里で波乗りをされる方ならこのスナメリくんに遭遇したことあるのではないでしょうか?
ふいに近くを横切ったりするとヒヤッとしますが、背ビレがないのですぐにスナメリだとわかり、安心できます。

人間活動の影響をとても受けやすい生き物で、絶滅が危惧され、1930年に国の天然記念物に指定されました。
ただ、そんなスナメリも子育てをしている時期は注意が必要です、子供スナメリに不用意に近づくと親スナメリに頭突きされることがあるようです。子供を危険から守りたい気持ちは人間と一緒ですね。
もちろん何もしなければ、上下に浮き沈みしながらゆったりと通り過ぎてゆきます。
「飯岡」での目撃情報もめずらしくはありません。
あ、となりまちの銚子は、スナメリに逢えることで有名です。
スナメリに逢える街

 

 

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