ここからはフィンの役割り、種類や特徴、選び方などについてご説明いたします
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▲フィンレスボードでサーフィンをする人 |
・フィンを選ぶ際には、あらかじめサーフボードに埋め込まれているフィンボックスのシステムに合わせて選ぶ必要があり、フィンボックスのシステムは主に[FCS]と[futures.]のどちらかのメーカーに合わせたものになります。FCSのボックスにfutures.のフィンは取り付けられません、逆も同様となります。
フィンの種類と特徴
《シングルフィン》
・フィンの数はセンターに一枚、無駄な抵抗が少ないため、直進性が高く、スピードが出やすいです。
・上級者向けのようですが、サーフボードをコントロールするための練習にも向いています。
・ロングボードでの使用が多くなっています。
《ツインフィン》
・フィンの数は二枚、小さい波やゆっくりした波でも安定的にスピードが保てます。
・センターにフィンが無いため、安定性に欠け、垂直方向のアプローチはやや難しくなります。
《トライフィン》
・フィンの数は三枚で、THRUSTER(スラスター)とも言います。
・直進性、回転性、安定性をバランスよく兼ね備え、様々なコンディションに対応できる最もスタンダードなセッティングで、市販されているフィンの種類も豊富です。
《クアッドフィン》
・フィンの数は四枚、回転性が良く、小波やパワーの無い波でもボードを動かしやすくなり、テイクオフが早くなります。
《ファイブフィンシステム》
・五枚ひと組で販売しているフィンもありますが、ファイブフィンサーフボードとは一般的にトライフィンorクワッドフィンの両方を楽しめるサーフボードのことを指します
・左図の左側はファイブフィンシステム、右側はトライ専用。
・ファイブフィンシステムは右図のようにトライフィンとしてもクアッドフィンとしてもセッティング可能です。
公式Instagramより |
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《グラスオンフィン》
・ボードと一体化しているフィンをグラスオンフィン(通称オンフィン)と言います。
- オンフィンのメリット
サーフボードの形状に最適で、ボード自体の性能を充分に引き出せるフィンセッティングでもあり、フィン選びに困る必要も無く、上達を把握しやすいとも言えます。
デザインに関しても、より曲線的で、レトロ感やエキゾチックな味わいがあります。 - オンフィンのデメリット
波のコンディションに合わせてフィンを変更できないため、ライディングスキルでカバーすることになります。
持ち運びの際などに破損しやすく、補修も一般的には難しいようです。
フィンの各部位名称
- BASE(ベース)・・サーフボードに接する部分の横幅を言いいます
- DEPTH(デプス)・・ベースを底辺だとし、一番高い位置までの長さを言います
- SWEEP(スイープ)・・ベースの真ん中から上に向かって垂直な線を伸ばし、さらにベースの真ん中から一番高い点を結んだ線の間の角度を言います
- AREA(エリア)・・フィン全体の表面積を言います
※フィンの先端部分はティップ
※フィン全体の輪郭はテンプレートやフォルム
FOIL(フォイル)・・水流を受ける前方から後方までの面の形状の事を言います。わずかな差ですが、フィンに対する抵抗や水流に大きく影響します。特徴的な四つのフォイル形状をご説明します。
- INSIDE FOIL
フィン先端がラウンドし、内側表面が凹んでいて、フォイルの内側で効率的に水量が増大。負荷を逃しながら持ち上げるとホールド力が加わる。ターン時のスピードを維持できる。 - FLAT FOIL
ドライブ、ピボット、ホールドを平均的に促す。素早い方向転換が可能、中級~上級レベルの方におすすめです。 - 50/50 FOIL
基本的にセンターフィンに使用されますが、一部のクアッドリアにも使用します。平均した安定性およびコントロール性を促します。 - 80/20+70/30 FOIL
多くはクアッドのリアに使用されます。安定性とコントロール性の供給のなかに機敏なターンも可能にします。
FLEX(フレックス)・・フィンのしなりの事を言います。「フレックス性が高い」というのはフィンの曲がりが柔らかく、「フレックス性が低い」というのはフィンの曲がりが硬いということになります。
- 柔らかめのフィンの特徴は、ドライブの効いたターンがしやすいことです。クイックなターンはやりにくくなります。
パワーの無いブレイクに向いています。 - 硬めのフィンの特徴は、ホールドする力、駆動力が増し、クイックなターンに優れます。ドライブを効かせたターンが難しくなります。パワーのある波に向いています。
素材および構造によるフレックス性の違い
フレックス性はフィンを構成する素材および構造によって決まります。以下、FCSで使用されている素材を例にとって説明いたします。
「SOFT FLEX」 |
NEO GLASS(上図左端) ネオグラスシリーズは、高密度ファイバーグラスとマリーングレードポリマーによって構成され、様々なフレックスパターンにより幅広いレベルのサーファーとコンディションに適応します |
NEO CARBON ネオカーボンシリーズは、ネオグラスにカーボンを練り込み軽さを加え、さらに柔らかさに対して反発する力を増す事に成功した素材/構造です |
PERFORMANCE CORE パフォーマンスコアシリーズは、ファイバーグラスとヘックスコアによって構成され、様々なコンディションに適応、ベースから先端までの適度なフレックスがターン時のドライブとホールドを維持します |
AIR CORE(新素材) 2019年にリリースされた新構造のエアコアシリーズは、ネオカーボン同様に軽さが特徴です。エポキシ系ハニカムコアの内部はエアが入った中空構造になっており、さらに外側はエポキシ樹脂、反発力も増しています |
PERFORMANCE CORE CARBON パフォーマンスコアカーボンシリーズは、カーボンが施されることにより反応が良いことが特徴。PCCフィンはスピードのあるサーフィンに適していて、パワーサーファーのクリィティカルな部分への力強いターンを支持します |
PERFORMANCE GLASS パフォーマンスグラスシリーズは、ファイバーグラス層により構成されています。硬い事が特徴のフィンであり、反応がとても良く、ストリームコンディションにおいて性能を発揮するため、プロレベルのサーファーに適していると言えます |
FCSとfutures.の違い
FCS
・FCS(フィン・コントロール・システム) ・FCS X-2と呼ばれるかつてのFCS定番となる標準フィンプラグです。フィンカップがそれぞれ独立したタイプ。 |
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・FCS FUSIONはX-2の改良版で、一体型のフィンカップなのでデッキ面がひび割れたり凹んだりしにくい。 |
FCS2
・「FCS2」はFCS FUSIONを劇的に進化させました。 ・ネジを使用せずワンタッチでフィンボックスにはめ込むことができます。 ※海底がリーフでドルフィンスルーなどした時、フィンがぶつかる事があります、その時にフィンが外れてしまう可能性がありますので「取り外れ防止」として、後方だけネジを使用しておくと外れにくくなります。 |
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・インフィルキットを使用すれば、FCS2のプラグに、FCSのフィンを使用することもできます。 | |
・サーフィンをする際、フィンをはめ込まないプラグがあった場合、砂などが入り込まないようにするため、またくぼみを無くし、ライディング中の水流をよくするためにBOX STIXなどをはめ込んでおくと良いでしょう。 | |
・FCS2はワンタッチでフィンをしっかりとはめ込むようになっているため、取り外しにコツが要りますが、多少の腕力も必要になります。 |
futures.
・フューチャーフィンの特徴は、フィンボックスとフィンのベースが同じなのでボックス内でのズレやボードとの隙間も全くないのでオンフィンに限りなく近いフィーリングを味わうことができるということです。 |
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・サーフィンをする際、フィンをはめ込まないプラグがあった場合、砂などが入り込まないようにするため、またくぼみを無くし、ライディング中の水流をよくするためにBOX STIXなどをはめ込んでおくと良いでしょう。 | |
・FIN PULLERはFCS2のFINSOUT同様、フィンを取り外すためのアイテムです。ただし、futures.のフィンとFCS2のフィンどちらも使えるようになっています。 |
▲FCS2フィンシステムの解説/出典/youtube FCS Surf
▲FCS2フィンシステムの解説/構造/取付 ※1:32~1:49はFCSの取付 |
▲futures.FINの取付 |
フィンのサイズについて
フィンは自分の体重に合ったサイズを選ぶ必要があります。
面積が多ければ多いほど直進性と安定性が上がり、面積が少ないほど機動性と回転性が上がります。
サイズの目安
サイズ | 体重 |
GROM | ~45kg |
X-SMALL | 40kg~55kg |
SMALL | 55kg~70kg |
MEDIUM | 65kg~80kg |
LARGE | 75kg~90kg |
X-LARGE | 85kg以上 |
フィンの選び方まとめ
- 始めはクセの無いバランスの取れたフィンを選ぶとよいでしょう。反応性とドライブ(加速)感を身につけるようにします。
- パドリングが重く感じる場合はセンターフィンをひと回り小さいものに変えてみます。テールの抜けが良くなればパドルがやや楽になります。
- パワーの少ない波でテイクオフをよりスムーズにするためには、フレックス性の高い柔らかめのフィンで、反対にパワーのある波ではカーボン系の硬めのフィンを試してみましょう。
- ドライブ感と安定性を求めたい場合はベースが長くサイズの割りに少しエリア(面積)の広いフィンを選びます。
- フィンのサイズが大きすぎるとアップス&ダウンで走る時にやや重いと感じるかもしれません。そんな時は、硬めのフィンでエリアが少し小さいもの、ベースがやや長いフィンを試してみましょう。
- テールがあまり流れずに、安定したライディングでリップにしっかりアプローチするのであれば高さのあるフィンを選びます。
- 伸びのあるターンを求めるのであれば、スイープ(角度)の強いフィンがおすすめ、反対に 回転性、ルース性が欲しいのであればスイープの弱い立ったフィンがおすすめです。
フィンの寿命について
- フィンが根元から折れてしまったり、欠けてしまったりした場合は見て判断することができますが、フィンフォイルは使用するたび徐々に削れます、平均すると「3年を目安にフィンを交換する」という方が多いようです。
- フィンボックスの周りが変色したり変形したりしていれば修理を考えた方がいいようです。ネジで支えている部分が破損した場合には、新しいフィンと交換しましょう。
- 実際には、通常の劣化で交換せざるを得なくなるよりも、新型モデルや人気モデルを試してみたくなり、様々なセットを組み合わせたり、環境や気分に合わせたりして楽しむ方も多いようです。
フィンに関するその他の用語
【ホールド】HOLD
水面にボードがしっかりと吸い付くような感覚のことをいいます
【ドライブ】DRIVE
進行方向への加速中におけるターンのスピードの維持度合いを表します。フィンベースの長さ、表面積、素材に影響します
【リリース】RELEASE
フィンが海面から外れる、抜ける時の動作の度合いのことをいいます
【ピボット】PIVOT
ターン時の円弧の長さを表します。スウィープが小さいほどピボットの性能は小さくなり、スウィープが大きいほどピボットの性能は大きくなります
それでは主なラインナップをチェックしに行こう⇩⇩⇩